直立二足歩行
チンパンジーと分岐してから以降の種を人類と呼びます。
そして現在のところ、人類の生物学的特徴の定義は、直立二足歩行と犬歯の縮小が挙げられています。
初期人類のラミダス猿人やトゥーマイ猿人が森林に生息していた可能性が高いことから見直しの機運が高まっていますが、人類がサバンナへ適応したことが直立二足歩行型への進化を促したとされています。
直立二足歩行の利点には、
・低速移動時のエネルギー効率が良い。
・両手が自由になる。
・頭部が身体の重心線上に位置するため、脳の巨大化が可能になる。
などがあります。
ただし、直立二足歩行は脳の巨大化の必要条件で、十分条件ではありません。
勿論、デメリットもあり、最大の問題点は難産です。
構造上骨盤がお椀型になるのでどうしても産道が狭くなり、出産、特に頭部の排出が困難になります。
ホモ属(ちなみに現在の人類はホモ・サピエンス・サピエンス)の人類は早産することによりこの問題に対処しています。
また、肉食化(サバンナでの死肉漁りが最初)によって、最大のエネルギー消費器官である脳の巨大化が可能になりました。
この、直立二足歩行、早産、肉食化は脳の巨大化の必要条件となっています。
つまりヒトをヒトたらしめているものは、遡っていけば直立二足歩行であると言えます。
「アスファルトで白いところしか踏んじゃいけない」ルールを自らに課したとき、直立二足歩行の凄さを実感しました。