どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

バファリンの半分

私は頭痛持ちなので、よく頭痛薬のバファリンを飲みます。

バファリンの半分は優しさでできているので、私の8分の1くらいは優しさかもしれません。

そのくらい飲んでます。

バファリンの半分は抗炎症作用、解熱作用のあるアスピリンです。

アスピリンは炎症や発熱を起こす物質のプロスタグランジン(PG)を合成する酵素のシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することで、鎮痛、解熱作用をもたらします。

しかしこのPGには胃酸の産生を抑え、胃粘膜を保護する粘液が出来るのを促進する作用が有ります。従ってアスピリンによってPG合成を抑えると、副作用として胃炎や胃潰瘍が高率で現れるようになります。

ここでもう半分、優しさの主成分である合成ヒドロタルサイトの登場です。

合成ヒドロタルサイトは長時間に渡って胃酸を中和し、pHを4前後に保つ作用があります。

これによってアスピリンの副作用を和らげています。

また、更なる優しさとして小児用バファリンがあります。

小児用バファリンの解熱成分はアスピリンではなく、アセトアミノフェンです。

アスピリン類は15歳未満の小児のインフルエンザ、水痘などのウイルス疾患に用いると、ライ症候群などの急性脳症を起こす可能性があります。

このため、子供には絶対に大人用の解熱薬を飲ませてはなりません。

以上のように、バファリンの優しさはとても大切な働きをしています。

このエントリでは私はバファリンをべた褒めですね。

製造元のライオン株式会社さんはその優しさで、将来私を雇っては頂けないでしょうか?

注)実際にはPGもCOXも複数種存在します。

従って実際のメカニズムはもう少し複雑ですが、大体上記のような認識で間違っていないと思います。