盲点
盲点は網膜の構造上光を検出できない領域のことです。
網膜全体の神経節細胞からでる神経繊維が網膜の表面を走り網膜の中心からやや鼻側によった場所に集まります。
ここに集まる神経繊維の数はおよそ100万本にも達し、この多数の神経繊維のためにこの場所には光感受性細胞である視細胞が入り込む隙間がなくなります。
つまり、この場所に光が当たっても全く見えないことになります。
この見えない領域が盲点です。
普段は両目で見ているので、盲点の視野はもう片目が補っていますが、片目を閉じた時には視野中に盲点が存在しています。
しかし、それに気付くことは殆どないと思います。
それは脳が想像力で視野を補っているからです。
右目を閉じて左目だけで十字を見て下さい。そして十字を見ながら画面にゆっくりと顔を近づけていくと、黒丸が消えるポイントが見つかると思います。
ここが盲点です。
更に面白いのは下の図で同様のことをやったときに起こる現象です。
黒棒が繋がりませんか?
これは脳みそが想像力で視野を補っているからです。
「脳の中の幽霊」という本に書いてあったのですが、この盲点を上手く使うと、会議中等の暇な時に、嫌いなやつの頭を盲点に入れて、消して遊ぶことができます。
ちょっとコツが必要ですが、これは面白いです。
「頭、消えろ」で消せるんですから。
ただ、気をつけなくてはならないのは、片目を瞑ってその人のところを見なくてはならないので、傍目にはウインクしているように見えることです。
本人に気付かれたら大変。
「頭、消えろ、消えろ、もうちょい」
「何であいつは俺にウインクしてるんだ?」
「よし、消えた、たのしー」
「は、ひょっとして、あいつ俺に気があるのか?(どきどき)」
「頭無いのが良くお似合いで(笑)」
「まだウインクしてる、これはもう間違いない(どきどき)」
こうして(一方的に)はじまるラブストーリー。
その後の(一方的な)破局。
「じゃあ何でウインクしてたんだよ!」
「ただの遊びだったんです。こんなことになってしまうなんて、盲点でした。」