どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

時間の問題かも

今日は鳥インフルエンザの話です。

中国で3人への感染が確認されたようです。

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051117k0000m030115000c.html

このソースからでは「鳥からヒト」への感染なのか「ヒトからヒト」への感染なのかは判断がつきませんが。

以前鳥インフルエンザについては書いたことがあります。

このエントリからリンクが張ってあるNatureの記事は非常に興味深い内容なので未見の人で興味のある人は読んでみてください。

この「H5N1型」のインフルエンザウイルスが、いずれヒトからヒトへの感染性を獲得することは疑う余地がありません。

現在のワクチン生産能力ではとてもじゃありませんが世界的流行が起きたときに全てを賄うことはできません。

ワクチンを作るのには数ヶ月の時間がかかる上に、鶏卵を用いるのが問題になっています。

「鳥」インフルエンザですから。

鶏の殺処分により鶏卵が不足することが予測されます。

鶏卵を使わずに培養細胞やプラスミドから人工のウイルスを構成する方法もありますが、まだ承認されていません。

また、「金」の問題があります。

本当に流行するかどうか分からないもののワクチンを予め作るのはリスクが大きいんです。

金がかかります。

同時に、鳥インフルエンザが最初に流行するであろう地域(東南アジア)には貧しい国が多いです。

金がありません。

現在、世界中で備蓄が進められている薬品に、「タミフル」があります。

タミフルはインフルエンザウイルスの「ノイラミニダーゼ」という酵素の阻害剤です。

ノイラミニダーゼは簡単に言うと「インフルエンザウイルスが細胞から離れるのに必要な酵素」です。

これを阻害してしまえばウイルスは細胞から離れられないので、体内で拡散しません。

あとは感染してしまった細胞を免疫系により排除してしまえばおしまいです。

ただしすでに報じられているようにタミフルには鎮静剤に似た中枢抑制作用があります。

副作用として異常行動を起こすことがあります。

タミフルを備蓄しているとはいえ、本格的に大流行を起こした場合、足りません。

従って、治療には優先順位が定められています。

(1)新型インフルエンザ入院患者

(2)感染した医師らと社会機能維持者

(3)心疾患などがある緊急性の高い患者

(4)児童、高齢者

(5)一般の外来患者

の順です。

私はおそらく(5)です。

ある程度の地位と金がある人が駄々をこねて「社会機能維持者」になるであろうことを考えると大流行時に私には薬が処方されるかは怪しいです。

長々と書きましたが、今できることは注意深く動向を見守るくらいです。

うがいして、手を洗って、早寝早起きをして、きちんと食事をとって、健康的に生活をしていれば免疫力が高まるので、これも有効だと思います。

頑張って「免疫力を高める生活」を目指してみようと思います。

今のところ「手洗い」のみなので。