どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

データを取るのは難しい

東大の多比良教授の論文について、「限りなく捏造に近い」という見解が出たようです。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060303-00000216-kyodo-soci 多比良教授らが研究していたのは「RNA干渉(RNA interference;RNAi)」というものでして、現在盛んに研究が進められている分野です。 RNAiは、比較的簡便に、目的遺伝子の発現を抑えられることから、非常に有用な方法です。 私の研究室にも何人かこの手法を使って実験している人がいます。 また、医療への応用という点でも非常に有効なツールであり、実用化がなされれば大きなターニングポイントになるかもしれません。 多比良教授らはこの分野の日本における第一人者でした。 このブログを始めてから、「論文の捏造」を取り上げるのはこれで4回目だと思います。 過去3回は以下の通り。 研究について考える 研究について考える その2 ES細胞論文のデータ虚偽 何でこんなに「捏造」がなされてしまうかと言うと、「捏造データ」がとても魅力的なんですよね。 自分の仮説通りだし、証明として完璧だし、研究費は入ってくるし。 捏造はどの研究室にも潜んでいる甘い罠だと思う。 自分も、絶対にやらないように肝に銘じておかなくては。