どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

危険なのはどこ

生きる上では、食べることを避けられません。

食べるためには、「食べ物」が必要です。

そして、どうせ食べるなら安心できる物を食べたいと思うのは、至極当然の話だと思います。

「安全」「危険」を見分けるためには当然のことながら情報が必要です。

例えば「有機野菜」、これは一般的には安全だと言われています。

農薬や化学肥料は使われてなさそう、というイメージが広く知られているからです。

ここのサイトに「有機農産物」の定義が書いてあります。

少しだけ引用します。

薬や化学肥料は原則として使用しないこと。(ただし、農薬物に急迫または重大な危機がある場合であって、通常の有機農産物に係わる防除方法のみでは有害動植物を効果的に防除できない場合に限り、有機農産物の国際基準に準拠した30種類の農薬の使用は認められています。)

つまり、限定条件ながら、農薬を使われている可能性があるわけです。

「農薬」が危険かどうかは別問題ですよ、念のため。

また、「無農薬栽培」という場合。

これは表示が正しいならば農薬は使っていないことになります。

しかし「有機栽培」とは表示できない理由があることは明らかです。

ここでまた、前述の「有機農産物」の定義を少しだけ引用です。

種まきまたは植え付けの時点からさかのぼり2年以上(多年生作物にあっては、最初の収穫前3年以上)、禁止されている農薬や化学肥料を使用していない水田や畑で栽培されていること。

無農薬に切り替えてから2年経ってない可能性が高いと考えることが出来ます。

また、一般的に「ちょっと危険かもな」と認識されているものとしては、「農薬」や「遺伝子組換え」などがあるように感じます。

確かにこれらのものは危険性がないとは言えません。

しかしその反面、しっかりと安全性が評価されている可能性が高いので、「安全基準を満たしている」という側面で考えると、「安全だ」と言うことが出来るとも考えられます。

私自身はコスト、手間、生産量の観点から考えると「農薬」や「遺伝子組換え」は必要であると考えています。

「遺伝子組換え」に関しては以前にも書きました。

日本では人口は減少傾向に転じましたが、世界的に見ればまだまだ人口は増え続けています。

そして日本が食料の大部分を輸入に頼っている以上、人口の増加=食料需要の増加、は非常に大きな問題であると認識する必要があると思います。

「食べ物」そのものは「安全」でも「危険」でもありません。

人間が評価することでそれらが決定されます。

そして評価するためには情報は絶対に必要です。

「有機栽培」や「遺伝子組換え」という言葉だけに惑わされてしまうことこそが、一番危険なことなのではないかと考えています。

近い将来、各技術の利益とそれに伴うリスクを認識して、自分自身の判断で食べるものを選んでいかなくてはならなくなると思います。

そのための「情報の開示」がしっかりとなされているとは思えないのが、一番もどかしい部分でもあります。

自分たちのエゴだけを優先して、都合の良いところだけを煽るだけ煽る風潮がある気がしてなりません。

自分としては、美味しい物を美味しく頂ければ、それで充分なのですが。