OTOKOGI
クラミドモナス(単細胞の藻類)の「オス」を決定する遺伝子としてOTOKOGIという遺伝子が同定されたそうです。
OTOKOGIは「侠」の意味らしいです。
生物の性分化というのは、まだ意外と分かっていない部分が大きいです。
代表的な遺伝子としてはほ乳類のSRY (Sex-determining Region Y) という遺伝子があります。
これは未成熟な生殖腺を「オス」へと分化させるのに必要な遺伝子で、この遺伝子を働かなくすると、染色体が「XY(オス型)」であっても外見は「メス」、逆に「XX(メス型)」に強制的にSRYを発現させると外見的には「オス」となることが知られています。
また、ショウジョウバエではdsx (doublesex) という遺伝子があり、この遺伝子はオスとメスでそのスプライシングパターンが違うことが分かっています。
またほ乳類でもこの近縁の遺伝子が見つかっているようです。
この他にもたくさんの遺伝子が関与していますし、その詳細はまだ未知な点も多いです。
そんな中、クラミドモナスで「OTOKOGI」が発見されました。
クラミドモナスは植物なので、動物でその遺伝子が存在するかは分かりませんが、個人的にはとても興味があります。
それにしても遺伝子の名前を付けるのは発見者の特権です。
昔ネタにしました。
こういうのは格好いいですが、海外の研究者が悩みそうです。
説明するときはどうすればいいんでしょうね。
「OTOKOGI」だから「侠」、というと「任侠」、任侠なのは「ヤクザ」、日本のヤクザは「Japanese Mafia」、ということは「Mafia」。
「マフィアだよ!」と説明しても、やっぱり海外の研究者は悩みそうです。