遺伝子工学についての雑感
大昔、こんな記事を書いたんです。
どことなくなんとなく:新型ネコの開発
http://dokotonaku.jugem.jp/?eid=936
詳細はリンク先に書いてありますけど、簡単に纏めると「遺伝子工学的手法」を使ってアレルギー反応を起こしにくいネコを作ったという話です。
自分などは技術的興味の他には「便利でいいじゃん」くらいの感想しか覚えなかったのですが、意外にこの記事は反響が大きくて。
頂いたコメントやトラックバック、或いはmixiのコミュニティでの反応を見ると、ネコを実験(研究)に用いることに対する是非に加え、「遺伝子組換え」に代表される遺伝子工学的手法への不安が散見されました。
「遺伝子組換え大豆は使用していません」の文言に代表されるように、「遺伝子組換え」は何か怪しい、危険なものという印象があるのかもしれません。
自分のような立ち位置にいると、実際にどのように思われているかについて分かりにくい面もあり、この辺りの感覚が理解できない部分があります。
例えば、遺伝子組換え作物であってもその安全性が試験されて認可された物であるならば、組み換えていない物と同様に安全だと思うのですが(むしろ遺伝子を組み換えていることによって認可基準が厳しくなっているので、より安全だとも言えます)、世間ではむしろ「遺伝子組換えでない」ことが宣伝文句になっています。
組み換えたと言っても、組み換えたDNA自体はもともとあるものと質的に変わりませんし、その結果発現するタンパク質も、ヒトに対する毒性がない限りは「タンパク質」として消化されてお終いです。
じゃあ、何故こんなにも拒否反応があるんだろう?と考えていたのですが、結局は「知らないから」以外のことが思いつきませんでした。
幽霊とかオバケとかが怖いのはそれが何なのかを「知らないから」だと思うのですが、「遺伝子組換え」もオバケと同じなのかなあ、と。
ということは、解決手段としては「知ればいい」ということになります。
少なくても、最低限の知識だけでも。
現在、小中学高校では情報化社会ということでコンピュータ関連の授業があることは伝え聞いています(自分の頃にも少しありました。現在の状況の詳しいことは知りません)。
確かにコンピュータ関連はこれから必須の知識であり技術です。
しかし、個人的にバイオサイエンスもそれらと同等に重要であると思います。
高校くらいで、一回遺伝子組換えを実際にやってみて、概念としてだけでなく経験として知っておくことは絶対に損ではないとおもうんですけど、どうでしょう。
簡単な組換えなら高校でも十分出来るはずですし。
そのような技術を指導するのは、自分たち博士号(見込み)を持つ専門家があたればいいかな、と思います。
そうして新たな就職先を開拓して、食いっぱぐれをなくしたいんです(本音)
追記しました。