専門家
テレビや漫画、雑誌などは基本的にフィクションである場合が多いので、内容が本当でないことは問題になりません。(捏造はダメです)
でも例えいくらフィクションであるとは言え、ある程度の真実味を持たせるためには最低限のリアリティが必要です。
嘘くさく感じさせないための「最低限」です。
難しいのは、この「最低限」が人によって違うことです。
例えば医者を主人公にしたフィクションを実際のお医者さんが見たら、「おいおい、こんなこと有り得ないよ(笑)」と感じる場面は多いでしょうし。
専門家がその専門分野のフィクションに接するときには、「最低限」の水準がとても高いものになってしまいます。
というわけで、最近「屋上」のシーンが気になって仕方ありません。
この「屋上」というシチュエーションでは、かなりの確率で人物が屋上に寝転がっているんですよね。
私にはこれが非常に気になります。
この行為にはリアリティを感じられないんです。
日常的に屋上に行ってまったりとした時間を過ごしている屋上ニストの諸氏は重々承知だと思うのですが、屋上って決して綺麗ではありません。
基本的に雨ざらし風さらしの場所ですから、むしろ汚いです。
そのような場所に寝転がろうとは、ちょっと考えられません。
従って、「屋上で寝転がる」というシーンが出てきた瞬間に「このフィクションを制作した人は屋上を知らない」と意識させられることになり、それだけでその世界に入り込みにくくなってしまいます。
屋上は寝転がる場所じゃないよ、缶コーヒーを飲むところだよ。
もし制作者が屋上に日常的に通っていてその上で「屋上で寝転がる」ことにリアリティを持っているようでしたら、むしろ屋上で寝転がらないなんて信じられない、という思想の持ち主でしたら、それは屋上ニストとして私の完敗です。