どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

空模様

何だか外は風が強いです。
びゅーびゅーびゅーびゅーと。
大気の状態が不安定なのかもしれません。
こういうときに、隣に誰かが居るけど話題がないと、必然的に天気の話になります。
会話には共通の話題が必要で、二人の周りに存在する空気の様子なんて、正に間違いなく「共通の話題」なんです。
困った時は天気の話、です。

「今日は風が強いですね」

「そうですね」

「しかも凄く寒い」

「本当に」

「何でも、この冬一番の寒気団がきているみたいで」

「道理で寒いわけですね」

「天気図を見ると、綺麗な西高東低の冬型の気圧配置でした」

「そうみたいですね」

「冬型の気圧配置の時は、シベリア高気圧の影響で大陸からの冷たい空気が流れ込んでくるんですよ」

「まあ」

「大陸の空気は本来乾燥しているんですけど、海の上を通る時に水蒸気を含んでしまい、湿った空気になってしまいます」

「・・・」

「そうすると、西からの湿った風は日本海側と太平洋側を分ける山脈にぶつかり、日本海側には大雪を、太平洋側には乾燥した吹き下ろしの風をもたらします」

「そもそもこの寒気団の温度が、上空5500メートルで-42度を下回ると豪雪と言っても差し支えないくらい雪が降ることもあって」

「さらに言うとシベリア高気圧は、気温の中心と気圧の中心は必ずしも一致してなくて、気温にはムラがあって、だから日本では寒気団と呼ばれてますけど場所が変われば暖気隗となってることもあってしかも…」

「・・・」

二人の間に存在する空気の様子なんて、間違いなく「共通の話題」なんです。
「何だか、大気の状態が不安定ですね」