バセドウ病
甲状腺機能が亢進してしまう病気です。
手塚治虫のブラックジャックでも取り上げられたことのある病気なのでご存知の方もいるかもしれません。
甲状腺の機能が亢進すると甲状腺ホルモンが大量に生産されてしまい、その作用によって全身の代謝が活性化されます。
常に運動しているような状態になる、と言えば想像しやすいと思います。
従って主な症状は、動悸、頻脈、汗かき、たくさん食べるのに痩せる、手の指が震える、疲れやすい、暑がり、イライラする、下痢、不眠症、などになります。頭痛を伴うこともあります。また、眼球が突出することや首の付け根が腫れる(甲状腺が肥大する)ことがあります。
発症率は人口10万人当たり100人程度、女性は男性の4~7倍発症しやすいです。
脳下垂体から放出される甲状腺刺激ホルモン(TSH)が、甲状腺に存在するTSH受容体を刺激することで、甲状腺ホルモンが放出されます。また、TSHは脳視床下部から放出される甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)の作用により放出されます。
バセドウ病では、何故か、「自分の」TSH受容体に対する抗体を産生してしまい、その抗体がTSH受容体を刺激し続けることで甲状腺ホルモンが大量に産生されます。
本来抗体は外部から侵入してきた細菌などを攻撃するものなのですが、何かの間違いで自分の体の構成物を攻撃してしまうことがあります。
これは「自己免疫疾患」と呼ばれるものであり、他にはリウマチなどがあります。
自分の体を自分の抗体が攻撃してしまう病気です。
治療法としては、メルカゾールという内服薬を服用することが一般的です。
これは甲状腺ホルモンを生合成するペルオキシダーゼを阻害する薬です。
2年程度の服用で薬を止められる場合も多いですが、ずっと飲まなければならない場合もあります。
また、服用していても妊娠、出産には影響しないようです。
他には放射性ヨードのカプセルを飲んで甲状腺の一部を破壊する方法や、手術によって甲状腺の一部を切除する方法があります。
きちんと治療をすれば命に関わるような病気ではありませんし、日常生活にも殆ど影響を与えません。
余計なお世話かもしれませんが、もし良かったら参考にして下さい。
上記のような症状に心当たりがあったら、一度受診することをお勧めします。
私は医者ではありませんので、専門医に聞くのが一番です。