どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

ラプラスの悪魔

世界に存在する全ての原子の位置と運動量を知ることのできるような、悪魔を考えます。

古典物理学の成果によって、これらの原子の時間発展を計算することができます。

つまり、この悪魔はこの先世界がどのようになるかを完全に知ることができます。

この悪魔をラプラスの悪魔といい、ピエール=シモン・ラプラスが提唱しました。

未来は、現在の状態によって既に決まっているということになります。

実際にこの悪魔が居れば、とても便利ですよね。

実用的な使い方としては、やはりギャンブルだと思います。

競馬も宝くじも思いのまま。

その辺を一匹くらい飛んでるといいんですけど。

そしたら捕まえて、一生こき使ってやる。

どっちが悪魔なんだか・・・

「未来を全て見通す悪魔」が捕まるときは、その悪魔の意思のはずです。

そして仮に捕まえたとしても、嘘を言うか本当を言うかもその悪魔の意思です。

しかも、その悪魔は私の未来も全て知っているわけです。

ということは、捕まえた瞬間から、私の人生はその悪魔の手のひらの上で弄ばれるものになるはずです。

逆に言うと、そうじゃないとラプラスの悪魔を捕まえられるわけがありません。

上記のように利用できるとはとても思えません。

ラプラスの悪魔の方が悪魔だと言う結論に至りました。

(注;後に登場した量子力学により、原子の運動は確率的な挙動をすることが示され、ラプラスの悪魔でさえも未来を完全に計算することはできないということになってます。)