どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

病気

私は幸いにして、たまに風邪をひく程度で大きな病気はありません。

しかし、そうでない人も沢山居ます。

先日、私の研究室のボスのところに一通のメールが着ました。

メールの差出人は、とある先天性の病気を持つ子の親からでした。

私は医者でもないですし、医学部ですらないのですが、研究内容は「基礎医学」と括れる分野です。

先日、うちのボス達が出した論文を読んでメールを送ったとの内容でした。

というのも、この先天性の病気にはボス達が論文で書いた遺伝子が関与していることが分かっていたからです。

私がボスからこのメールを読まされて相談を受けたのは、私が一番この分野に詳しかったからなんですが…。

文面からは、とにかく何か一つでも情報が欲しいとの意思が伝わってきました。

この先天性の病気はまだ原因も治療法も分かっていないので…。

私の知り得る限りの情報をボスには伝えておきました。

今の私にできるのはこんなことくらいです。

この一件でちょっと気になって調べてみたんですが、先天性の病気に苦しんでいる人はとても多い。

試しに「救う会」でGoogle検索をしてみて下さい。

その数の多さにビックリすると思います。

病気には例えば移植等の治療法がある場合と、治療法すら不明な場合があります。

移植の場合、日本では小児からの移植は認可されていないので、アメリカ等で移植をしなくてはなりません。

その場合費用は数億円かかる場合もあります。

また、治療法が無い場合は、とにかく病気の進行を遅くするような努力をするんだと思います。

そのときの気持ちは、自分には想像すらできません。

私は医者ではありませんので、実際に治療に努力することはできません。

しかし一研究者として生きているメカニズムの解明(つまりは病気のメカニズムと同義)に努力することは可能です。

私は今まで、研究の動機は「自分の好奇心」でした。

これからも基本的には変わらないと思いますけど、頭の片隅には「研究の結果、病気の治療に役立てるかもしれない」という事実を置いておこうと思います。

綺麗ごとの上に自己満足ですが、どうせ研究をするなら役に立つ研究の方が絶対に良いので。

「自己満足」ってのは自分の満足ですから、モチベーションの促進効果は結構大きいんです。

というわけで、明日も実験だ。