9年前の11月
9年前の11月、慣性の法則で空を飛びました。
当時高校一年だった私は、学校の帰りに自転車で坂を猛スピードで下っていました。
私の行った高校は山の上にあったので。
登りの時は自転車から降りて押さないとならないくらいの急勾配です。
いい気分で風を切って駆け下っていたとき、細い脇道からスーパーカブがニュッと出てきました。
私は避けきれずに、カブの横腹に突っ込みました。
慣性の法則に従い、自転車から投げ出されて空を飛びました。
地面には右手から落ちました。
そのときは大した怪我をしていないと思ってましたので、救急車も警察も呼びませんでした。
私も相手のカブに乗ってた人も、面倒くさいことにはしたくなかったので。
とりあえず痛みが引くまで、相手の人の事務所(某地方新聞社)で休ませてもらえることになったので、そこに行きました。
お茶とお菓子がおいしかったような気もしますが、右手がとても痛かったのであんまり覚えてません。
痛みは引きませんでしたが、いつまでもここに居ても仕様がないので帰ることにしました。
自転車に跨がり、走りはじめたものの、ちょっとした衝撃の度に右手に激痛が走りました。
どうしようもなくて次の日に病院に行ってみたら、右手首の骨折でした。
ポッキリと、骨のさきっちょが「く」の字に曲がってました。
医者曰く「元の形に戻すために力づくで真っすぐにします」
要するに逆方向にもう一回折るようなもんだと思います。
「麻酔の注射しますか?」
今考えれば、麻酔が必要なくらいに骨の形を戻すのは痛いという意味だったんだと思います。
「いえ、このままやって下さい」
注射が嫌だったんです。
医者が力を込める。
力を込められた右手に激痛が走る。
ボキッ
ホントに骨が折れるときって大きな音がするんだな、と実感。
あと、ホントに痛い時には声も出ません。
医者の言うことはとりあえず聞いておいた方がいいよ、という話。