どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

エイリアンの脳

自分の研究の領域が少し広がりそうな関係で、精神科分野の勉強をしなくてはならない状況になりました。

もともと興味のある分野でしたが、少し首を突っ込まざるを得ないかもしれなくて。

それで、精神科のお医者さんに勧められて、こんな本を読みました。

僕の妻はエイリアン 「高機能自閉症」との不思議な結婚生活

僕の妻はエイリアン 「高機能自閉症」との不思議な結婚生活

これは「夫の視点」から見た「高機能自閉症」の妻との結婚生活をコミカルに描いたノンフィクションです。

コミカルではありますが、非常に考えさせられます。

妻は、アスペルガー症候群気味であると書いてありました。

「地球人」である夫に対して「異星人」の妻です。

そのくらいものの考え方、感じ方が異なってるみたいです。

自閉症の特徴は、主にこの3つのようです。(本から引用)

(1) 人の気持ちや場の状況を読めず、人とうまくかかわることがむずかしい。

(2) ことばがうまく使えないか、使えてもいくらか不自然さがあって、人とスムーズにコミュニケーションすることがむずかしい。

(3) 特定のものごとに強くこだわったり、常に同じパターンで行動することを好む。そうした、自分のふだんの生活が乱されるとひどく混乱してしまい、落ち着いていられなくなる。

二人の生活を「異文化交流」と称していましたが、まさにその通りだと思いました。

でも読んでいて自分でもちょっと驚いた事実が一つ。

私は、勿論「夫」の考えに共感する部分は多いんですが、意外に「妻」に近いものの考え方をしているかもしれない、ということです。

特に上記の(3)、「常に同じパターンで行動するのを好む」はまさにその通りです。

私は自分のパターンを他人に乱されるのがあんまり好きじゃない。

加えて、「妻」の特徴である「言葉を意味通りに受け取る」や「言葉の意味、使い方にこだわる」もそうかもしれない。

誰にでもある一面なんだとは思いますが…。

読んでいてちょっとだけ不安になってしまいました。

この夫婦は喧嘩をしながらも、お互いにお互いを理解しようと努力している、とても素敵な二人だと思いました。

そして本の最後で、「筆者」についてかなり驚きました。

大変に勉強になるとともに、とても面白い本だと思います。

未読の方は、是非読んでみて下さい。