どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

意志

大学に貼ってあったポスターにこんなことが書いてありました。

「科学への愛と誇りを持って」

確かに「愛」も「誇り」も、無いよりはあった方が良いとは思うんですが、強調すべきはそこではない気がしました。

「科学」そのものに対しては、あんまり役に立たないと思うからです。

一口に科学といっても沢山の分野があるので、なかなか難しい面があります。

ちょっと考えただけで、大雑把に「解明」の科学と「開発」の科学がありますし。

自分はどちらかというと「解明」の分野に住んでいます。

しかし言うまでもなく、この二つはフレキシブルに利用して利用される関係であるのが望ましいと思います。

どちらかというと「解明」よりの話になってしまいますが、私がとても大切であると考えていることの一つに「正確であること」があります。

それは実験データが正確であることもその一つですが、「正確に認識すること」により重きを置いています。

つまり例えデータが「不正確」であっても「不正確であること」を「正確に」認識していれば、それは重要な知見に繋がりうるからです。

不正確なポイントを補う方策も考えることができます。

どのように考え、行動するかは個人の意志に委ねられています。

これは研究に限った話ではありませんが。

従って、冒頭の言葉について考えた場合、「科学への自分のスタンスを明確にすること」が大切なのではないかと思いました。

「愛」や「誇り」は定義が曖昧です。

どうにでも解釈できる言葉は「科学」には似付かわしくありません。

現在のところ、私のスタンスは前述の通り「現状の認識を正確に行うこと」です。

なるべく正確に認識しようとすると、かなりの限定条件に陥ってしまうのが難しいところなんですが…。

また、この「スタンス」そのものは各個人で異なるのは構わないと思いますし、そうでないと面白くありません。

ちなみに、私自身、「正確に」私のスタンスを実行できているかと言うと、胸を張っては肯定することはできません。

なるべく、出来る限り、そこそこに、ほどほどに正確なつもり、です。

うわー、凄く曖昧。