どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

聖域

私にとって屋上は聖域であり、ここでの時間は誰にも邪魔をされたくありません。

屋上で誰か人に遭うのは凄く嫌ですし、それが知り合い、ましてや同じ研究室の先輩になんて遭遇した日には最悪です。

しかし、私と同様に屋上での休憩時間を心待ちにしている人が他にいたとしても、そのこと自体は全く不思議ではありません。

いつものように缶コーヒー(ボスカフェラテ)を持って、屋上へと向かいました。

上りの階段が苦にならないのはこのときくらいなものです。

いつもの場所からいつものように屋上に出ようとすると、人影がありました。

見つからないように建物の中に隠れました。

「なんだよー、なんで居るんだよー」

心底がっかりです。

建物の中からこっそりとその人影を見直したところ、見覚えのある人でした。

同じ研究室の、後輩の、女の子。

最近よく屋上で遭遇します。

前述の通り、彼女からすれば「屋上で、研究室の先輩に遭うなんて」最悪の出来事のはずなので、私は気づかれないように退散しました。

もしかしたら、逆に私がまったりしているときに退散してくれているかもしれないですし。

そしてベストポジションを諦めてベターポジションで缶コーヒーを飲み干します。

いつもと違う場所ですが、こういうときは不思議と嫌な気はしません。

屋上でやさぐれないとならないような、嫌なことでもあるんだろうか?

それとなく様子を見ていた方がいいんだろうか?

屋上でやさぐれることが日課になっている自分のことは完全に棚に上げて、そんなことを少し考えてきました。

今は屋上依存症なだけですが、私が屋上に行くようになったきっかけを考えると、決してポジティブなものでは無かったですからね。

とりあえず様子見という名の現状維持が一番いいかな。