
久しぶりにSFを読みました。
ロバート・A・ハインラインの
自由未来
です。
ハインラインは20世紀アメリカを代表するSF作家であり、代表作としては「
月は無慈悲な夜の女王
」や「
夏への扉
」が有名です。
私はこの「
夏への扉」がとても好きで、たまに読み返しています。
山猫男爵さまの
レビューに詳しいので、興味のある人は是非読んでみて下さい。
今回読んだ「自由未来」、これは表題の通り「自由」「未来」をテーマにした物語です。
「自由」を論じるためには「不自由」も同時に論じる必要があるのですが、この作品では考え得る多くの不自由が登場します。
核戦争に始まり、人種差別、性差別、階級制度、
奴隷制度、去勢、人食い、殺人、投獄、サ
バイバル、
麻薬中毒…、などなど、様々な不自由です。
よくもまあこれだけのものを詰め込んだな、と思いました。
自由を追求することは即ち不自由への束縛であり、不自由の中には解放された自由があります。
「未来」すらも「自由」と「不自由」の間で揺らいでいることが作中で示唆されています。
登場人物たちは最終的に、各々の「自由」を選んでいるようでした。
例えそれが他の人から見たら「不自由」に映るとしても、です。
非常に面白く読むことが出来ました。
ただ、難点が無いわけでもなくて。
ストーリー的には大きく4つに分けられると思うのですが、「第二部」と「第三部」の転換点があまりにも唐突でした。(便宜的に「第○部」とします)
前もって何も情報が提示されないまま全く違う物語に突入した印象でした。
また、「第二部」は他と比較して「異質」なんです。
「第二部」そのものは面白いんですが。
色々グダグダと書きましたけど、読んで損は全くないと思います。
面白かったです。