どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

納豆にネギをいれるのが好き

なんでも巷では納豆が人気のようですね。

フジ系列で「ダイエット効果」、納豆需要が急増・品薄

またか、という話ではありますけど。

食べ物には色々な成分が含まれていますから、当然身体に良い成分と悪い成分が含まれています。

ただし、特定のものだけを食べ続けると偏りが生じるため、逆効果の場合も多いです。

そもそも「これを食べると痩せる」という食品を食べたいと思いますか?

食べて痩せるというのは、毒物だと自ら宣伝しているようなものです。

この番組は見ていないので、内容については突っ込めませんけど。

ダイエットに最も効果的なのは、「バランスの取れた食事と適切な運動」です。

加えて、このような番組を見てすぐに影響される人達は、以前にも同様のことをしたことがあるはずです。

きな粉ブームの時にはご飯にきな粉をまぶし、ヨーグルトブームの時にはお腹を壊すまでヨーグルトを食べ、寒天ブームの時には寒天スイーツ(笑)杜仲茶ブームの時にはお茶屋さんに怪訝な顔をされた経験のある人達です。

自分自身の体が、何よりもそれらのダイエット効果を検証しているはずなのに、同じことを繰り返しているんですから、傍観している分には面白いです。

全て、とは言いませんが、あのような健康バラエティ番組には科学的根拠は乏しい例が多いです。

研究室にいると「テレビ局のシナリオ通りのデータが出ない」と嘆く人を見たことがありますし、私自身、某お昼のテレビ番組にて自分の研究内容が実態とは遠く離れた、私から見ると「嘘」「捏造」にしか見えない状態で放送されたこともあります。

in vivoとin vitro(というかin vitroでもない)の実験を(故意的に)混同させていることも多いので、見るときは気をつけてください。

例えば、ある食べ物に「脂肪を分解するタンパク質」が含まれていて、試験管内でその食べ物の成分が実際に「脂肪を分解している様子」が映し出されます。

だからこれを食べると「痩せる」という論拠ですが、そもそも食べたものは消化されてしまうので、「脂肪を分解するタンパク質」として吸収されることは考えられません。

これは極端な例ですけど、それに近い論理展開をしている例は少なくないように感じます。

実験の比較が「対照」としての役割を果たしていないことも多いです。

万が一、私がテレビ局の偉い人になったら、これらの番組の最初にはテロップを流すことを徹底したいです。

「この番組はフィクションです。登場する団体、人物、食品の効果等は架空のものであり、実在のものとは関係ありません。」