どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

金属ナトリウムと水

3月7日に、東京理科大で発火事故が起きたようです。
このニュース記事がどうにも、解せません。

東京理科大研究室で爆発、男子学生が全身やけど(MSN産経ニュース)
一部(というか大部分になってしまうのですが)引用します。

 7日午後3時半ごろ、東京都新宿区市谷船河原町東京理科大5号棟4階の研究室で爆発があり、男子学生(22)が全身にやけどを負った。意識はあるという。
 警視庁牛込署の調べでは、男子学生が研究に使った金属ナトリウムを廃棄処理するために、バケツの水に入れた後に爆発した。誤って薬品が混ざり、化学反応を起こした可能性があるという。

記事中では「金属ナトリウムを廃棄処理するために、バケツの水に入れた後に爆発した」とあります。
理系、しかも東京理科大の学生が「金属ナトリウムを水に入れる」ことを、故意にするとはとても思えません。
そんなことをしたら爆発するのは、当たり前。
高校(中学かも)の化学の教科書にも書いてあることです。
全くの門外漢の私(化学は高校レベルも最早怪しい)でも、ほとんど常識として知っているくらいですから、金属ナトリウムを扱って研究をしている人なら、一番注意するべきところのはずです。
しかも、記事中のその後の文章「誤って薬品が混ざり、化学反応を起こした」も分かりません。
本当に金属ナトリウムを水に入れてしまったのなら、それだけで爆発するには十分なはずですし。

ここからは想像なんですが、金属ナトリウムは石油(灯油)中で保存するため、石油と水を多量に含んだ液体を間違えてしまった可能性はあるように思います。

ちょっと探したら、理科大がこの事件についてアナウンスしていました。
神楽坂校舎5号館における発火事故について(東京理科大)
事故の状況が書いてあったので、その部分を引用します。

学生が研究室内で、リチウム電池の充電及び放電の実験後の廃棄処理を行っていた際に発火した事故と推測。この発火事故は初期対応(備え付けの消火器を使用)により消火。当該事故により学生1名が火傷を負い病院へ搬送された。

ん?「リチウム電池の実験中」とありますね。
ちょっと私には金属ナトリウムをリチウム電池の実験で使うか否かが分からないのですが、もしかしたら事故の原因は金属ナトリウムではないのかもしれませんね。
金属ナトリウムを使う電池ならナトリウム硫黄電池かな、と思いますが、リチウム電池じゃないですし。
全然知らない分野なので、何かあるのかもしれません。

実験中の事故というのは、他人事ではありません。
怪我をした人が、一日も早く回復することを願っています。