どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

博士とお金

数日前の記事ですが、気になるものが二つありました。
一つは、「博士号を取得した人のその後」についての記事。

「末は博士も就職難」、修了者の25%が「浪人」YOMIURI ONLINE

一部を引用します。

文部科学省の調査によると、昨年3月の博士課程修了者1万6801人のうち行き場のない人は4146人。実に25%が「浪人」を余儀なくされたのだ。しかも、この数字にアルバイトなどは含まれていない。

私は今年修了したので、この統計の中には入ってませんが、博士課程修了者の一人です。
幸い、どうにか今の行き場を見つけられましたが、ここを見つけるまでは本当に精神的にキツかったです。
行き場が無く、記事で言う「浪人」していた可能性も十分にありました。

もう一つは、「奨学金」についての記事。

旧育英会奨学金、10億円未回収 税金投入の恐れも asahi.com

一部を引用します。

財務省は24日、独立行政法人日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金について、回収努力が不十分で延滞額が膨らんでいるとして、運用の改善を求めたことを発表した。書類がそろわないなどの不手際で約10億円が未回収になっており、国民の税金で穴埋めする可能性もある。

私も修士課程、博士課程の6年間、育英会(学生支援機構)から奨学金の貸与を受けていました。
第一種で利子がないとは言え、この5年間で約600万円の借金。
ただ、私の場合は非常に運の良いことに、修士課程で貸与されていた分については免除職に就くことができ、また博士課程で貸与されていた分については全額免除となったため、現在は一応借金は無くなっています。

幸い、私は本当に運の良いことに、今のところほぼベストの道を選べていると思っています。
でも紙一重で「浪人」していて、「借金」を返済する能力がなかったこともあり得ました。
この未回収となっている10億円の裏側に、紙一重の裏側にはまり込んでしまった人が見える気がしました。