どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

不確定

色々な迷いがあるときに、何か意思決定をする「後押し」のようなものがあると少しラクです。

根拠はどうでもよくて、後押しだけが欲しいような状況もあるはずです。

「占い」などはお手軽な後押しの一例ですよね。

しかし、その迷いが重大であったり、判断が難しかったりする場合には、割と簡単に思考が止まってしまいます。

「どうすれば、何を選べばいいんだよ、ドラえもーん」のような状況です。

ドラえもんが押し入れの中にいれば、あるいは○×占いやみちび機のような道具を出してくれるかもしれませんが、ここでは便宜上ミチビキエンゼルにします。

ミチビキエンゼルはこんな秘密道具です。

天使の姿をした指人形状の道具。言葉を話すことができ、左手にはめて相談すると、その者にとって正しい答を返してくれる。
Wikipediaより。(Wikipedia: ドラえもんの秘密道具(み)

実際にどうであったかはともかくとして、悩める人にとっては非常に魅力的な道具です。

「正しい」答えを出すためには、未来視の能力が必要となるため、ミチビキエンゼルは「天使」と名乗ってはいるものの、実は悪魔なんです。

ラプラスの悪魔

例によってWikipediaから引用です。(Wikipedia: ラプラスの悪魔

世界に存在する全ての原子の位置と運動量を知ることができるような知性が、もしも仮に存在すると仮定すれば(ひとつの仮定)、その存在は、古典物理学を用いれば、これらの原子の時間発展を計算することができるだろうから(別の仮定)、その先の世界がどのようになるかを完全に知ることができるだろう、と考えたのである。この架空の超越的な存在の概念を、ラプラス自身はただ「知性」と呼んでいたのだが、後にそれをデュ・ボワ=レーモンが「ラプラスの魔」と呼び始め、その名称が広まることになった。
つまり「今」の全てが分かっていて、つまりは「未来」の全てが分かる悪魔です。

「天使」も「悪魔」も立場の違いでしかないのでどちらでもいいのですが、彼は全てを知っているので、彼に聞けば悩み無用なわけです。

ただ残念なことに量子力学によって原子の位置と運動量を同時に知ることは不可能であることが示され(不確定性原理)、ラプラスの悪魔に聞いても未来は必ず「不確定」であることが分かっています。

悩める人にとっては残念です。

でも「悩んでいる」んじゃなくて「分かっちゃいるけどやめられない」あるいは「分かっちゃいるけどやりたくない」というだけの場合は、それは分かっているようにした方が良さそうです。

わざわざ導いてもらうまでもありません。

ということで、研究に関するメールを一通書きます。

書かなければならないことは明らかなんですが、書きたくなかったんですよね。