どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

自分だけが知らない世界

自分にとっては自分の認知する世界が全てです。

例えば、同じ場所に二人の人が居るとして、その二人はほぼ同じ世界を認知していると考えられます。

しかし、一つだけ決定的に違うことがあります。

それは自分の声です。

声を出した時、2つの伝達経路があります。

一つは、口から出た自分の声が周りの空気を振動させ、その空気の振動が外耳道を介して内耳に伝わる経路で、これを気導音と言います。

もう一つは、空気を介することなしに、自分の声が頭蓋骨から内耳に直接的に伝わってくる経路で、これを骨導音と言います。

自分の声を自分で聴く時、気導音と骨導音の重なった音を聴くことになりますが、その他の人は気導音のみを聴くことになるので、自分の聴く音声とは異なった音声になります。

そして、一般的に「○○さんの声」というのは気導音を指します。

自分にしか聞こえないものを一般化することはできませんから。

大抵の人は、ビデオやカセットテープ等に録音された自分の声が、普段自分が認識している自分の声と余りにも異なっていて違和感というか、何となく気恥ずかしい気分になったことがあるのではないかと思います。

そうすると、芸能人とかアナウンサーとかの人は、最初は悶絶するくらい恥ずかしかったと思うんですけど、どうなんでしょうね。

最終的に慣れちゃうんだろうとは思うんですけど。

自分の声に慣れちゃうのか、恥ずかしいのに慣れちゃうのかは判断が難しいところ。