挙動不審
iPodを拾いました。
今日は朝9時から研究室のセミナーだったので、いつもよりもちょっと早めに家を出ました。
そして問題なく9時10分頃大学に着いてふわふわと私の所属する研究室のある建物に向かって歩いていたところ、草むらの中に銀色に光る長方形の物体を発見したわけです。
とりあえず拾って観察しました。
第四世代の後期型、つまりカラー表示になったiPodの初期型でした。
画面を見ると一時停止にはなっているもののディスプレイは光っており、サンボマスターの曲を聴いていたことが分かります。
周りを見渡しましたが、私の他に人はいません。
とりあえず研究室に持ち帰ることにしました。
研究室で更によく観察しましたが、残念ながら持ち主が分かるような手がかりはありませんでした。
上記の手がかりから分かることは、「恐らく落とし主はiPodを落としたばかり」だと言うことです。
一定時間経過すると暗くなるディスプレイがまだ光っていたことからも、恐らく5分以内くらいに落としたものと推察されました。
聞きながら移動している際に落としたのであれば、落とした瞬間に耳から音が消えるので気づくはずです。
ならばポケットから出して、停止させて、またポケットに入れようとしたときに落としたと考えるのが妥当です。
妥当なんですが、拾った場所は歩いている人がiPodを停止させるにはキャンパスの建物はまだ遠く、自転車の人がiPodを停止させるには駐輪場はまだ遠い、何とも中途半端な場所でした。
あのような場所でiPodを停止させるだろうか、と。
しかし状況証拠から言うと、iPodを停止させた上で落としたであろうことはほぼ間違いないんです。
これはまさか、iPodを拾う様子を影から見てニヤニヤする罠に嵌められたのでは?
まずい、このままでは相手の思うつぼだ!
罠じゃなくても落としたばかりであれば現場に戻ってくることはあり得るだろう。
そう思ったので元の場所にiPodを戻してきました。
一安心です。
3時間後に見に行ったときは、iPodは無くなっていました。
きっと無事落とし主の元へ帰ったことでしょう。
もし本当に罠に嵌められていたとしたら、拾ったやつがまた元の場所に戻しに来たんですから、「あいつビビって返しに来たよー」と影から大笑いされていたのかもしれません。
違うんだ、持ち主に返そうと色々考えた結果の行動だったんだ。
決してiPodは持ってるし別に要らないなー、とか考えたわけではなくて。