どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

バイアス

最近はいじめとそこから派生する自殺についてクローズアップされているようです。

嫌な話ですけどいじめというのは今に始まった話ではなく、そして今後も続くであろう話でもあります。

正直な感想としては「いじめを無くす」議論は何の役にも立たないと思います。

決して無くならないからです。

それならば親なり先生なり友達なりと「いじめられた場合の対処法」を話し合っておくことの方が、対症療法ではありますが、効果は大きいのではないでしょうか。

私が小学生、中学生だった頃から(頃にも)いじめはありました。

小学生の頃はいわゆる「いじめるグループ」の標的になった子を「自分たちのグループ」に引き込んで手出しをさせにくくするようなことも(無意識のうちに)やってましたが、中学の時に転校したときは孤立無援だったことを少し思い出しました。

私が気になるのは、さも最近「いじめを苦にした自殺」が増えているかのような報道がなされていることです。

いや、テレビはちょっとしか見てないんですけどそういう印象を受けます。

「○○中学の生徒が自殺」などの文字がテレビの画面に映し出されます。

ここに自殺者数の統計データがあります。

社会実情データ図録 失業者数・自殺者数の推移

これを見ると、2005年度の10代の自殺者数は554人です。

ここ数年は安定してこのくらいの数字のようです。

一日1.5人というところでしょうか。

今年度の統計が出るまでは分かりませんが、「今」が特別なわけではなさそうです。

またこのデータで気になるのは、20代以降の自殺の多さです。

特に40代以上はかなりの人数が自殺という手段を選んでいます。

年間2万人以上ですから半端ではありません。

年齢別自殺率(男子)の長期推移と日米比較によると、その動機は「経済・生活問題」が最も高くなっています。

現在の報道は何となく「いじめによる自殺」をより所に「教育現場の改革」を訴えているように感じますが、「自殺」を根拠とするならば「経済の改革」も急を要する事項だと思います。

確かに「経済の改革」もなされようとはしていますが、ホワイトカラー・エグゼンプションなど、問題も多そうです。

もちろん「教育」にしても「経済」にしても何らかの手段を講じなければならないことは全くもってその通りだと思いますが。

それにしても「統計」という数字は怖いです。

一個一個の数字が意味するものは多くの人の悲劇であるはずなのに、その悲しみの大きさは反映されていません。

こんな数字に紛れてしまうくらいなら、私なら別の数字に混ざりたいです。

例えば長者番付とか。

とりあえず個人的には生きてるだけで丸儲けだと思ってますし、現状はそこそこ楽しいです。

状況は常に遷り変わっていますし、良いとき悪いとき色々です。

波があるからこそ後から振り返ったときに面白いと思っています。

早く良い波が、できればビッグウェーブが来ないものかと待ち望んでいるところ。