どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

頭空っぽの方が

二週間くらい前に知った個人的に結構衝撃的だったニュースに、「頭蓋骨内がほぼ空洞(脳は頭蓋骨付近に押しやられている)のに、通常生活を送っていた人が居た」というものがありました。

この報告は医学専門誌のLancetに7月21日付で発表されていたのですが、漸くうちの大学からも読めるようになったので、読んでみました。

正直、想像以上でした。

この報告が本当であるならば、はっきり言って、私にとってはこの状態で生きていることすら不思議で仕方がありません。

是非写真で紹介したいのですが、勝手に報告を切り貼りしてブログに公開するのはちょっとマズいかなー、と思います。

仕方ないので「私のデスクトップの静止画」という形で画像を貼ってみます。

解像度も落として、何となく雰囲気が伝わる程度に。

8/5/2007, 追記。

Web上できちんとこの報告が読めるという指摘を受けました。

もちろん写真も見られます。

http://www.eurekalert.org/pub_releases/2007-07/l-tbn071807.php

こちらを参照してみてください。

Brain Horo

(クリックでちょっと拡大)

「彼」は44歳の市の職員で、結婚していて子供も2人いるようです。

幼い頃に水頭症を患っていたようなので、その影響は大きそうですが、それにしてもにわかには信じられません。

IQは70ということなので、確かに若干低いことは間違いないのですが、十分に社会生活をおくっていたので、その程度、ということです。

写真を見る限り、IQがどうのこうのというレベルではなく、「どうやって生命を維持してきたんだろう?」と不思議で仕方ありません。

脳の研究の古典的な手法の一つに、「損傷した部位とその結果生じた症状を比較することで、その損傷した部位の機能を探る」というものがあります。

脳梗塞などで脳に障害が発生したときに、例えば「物の形」が記憶できなくなったとしたら、その障害が発生した部位は「物の形」を記憶する領域である、という発想です。

そのような考え方でこの写真を見てしまうと、もう「何で???」と思考停止するしかありません。

不思議です。

冗談で「俺、頭空っぽだからさー」と言うことはありますけど、まさか本当に「空っぽ」の人が存在するなんて想像していませんでした。

私の頭の中、ちゃんと脳みそ入ってるよね?