どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

ノブリス・オブリージュをどこまで期待するか

このような記事を目にしました。

食品業界がばらまく「社会毒」 ~牛乳、人工甘味料、ダイエット食品は危険?
http://news.livedoor.com/article/detail/8323070/

 この記事に関してはかなり間違いが多く、参考にはしない方がいいのですが、この手の記事にありがちな問題として、誰がどのようにこのような記事の間違いを指摘するかと言うことがあります。
間違っている部分と、間違っているとは言えない部分を選別し、それに対して指摘、解説するためには、この内容に関わる分野についての知識や、検証するための手法が必要であり、これは誰にでも可能であるというわけではありません。

 そのようなことが出来る人がやるべき、と言う意見ももちろんその通りなのですが、このような記事について解説することについて、その「出来る人」にどのようなインセンティブや、もっと言うとメリットがあるかというと、多分あまりありません。
それでも、しっかりと解説をして下さっている人もいて、本当に凄いなあ、と頭が上がらない気持ちなのですが。 

とらねこ日誌;乳糖を分解してもカルシウムはできないよ
http://d.hatena.ne.jp/doramao/20131207/1386390298

 個人のブログなどでしたらともかくとして、商業誌やニュースリリースレベルで情報を発信するのでしたら、内容に対する責任は一義的にはその会社や出版社にあると思います。
そのような会社、出版社に、内容を検証できるだけの人材を置くか、または検証できる人に依頼するかというステップが必要ですけれど、現状はあまり大きな期待を出来る状態にはありません。
では、「出来る人」たちの自主的な検証活動に期待するかというと、あくまでもある程度の善意であり、科学的に間違いを含んだ記事は日々量産されている状態ですから、各個撃破には限界があります。

ネットでは多数の間違いを含んだ情報と、少数にそれに対する検証記事では、どちらの方が読む人に届きやすいか、と言うと、やはりこれも難しい問題です。
届いて欲しい人に限って届かないようにも思います。

自分にできることは、気が向いたときに私に分かる部分については、少しでもブログに書くことくらいかなあ、と、ありきたりですが思います。
まあ、解説記事どころかブログ自体、あまり書いてないんですけどね。