どことなくなんとなく

研究の息抜きに綴る適当な文章

小さな世界

極微の世界というのは、とても美しく見える時があります。

顕微鏡を覗いた時に、「あ、綺麗だな」と思う瞬間。

そんな写真の美を競うコンテストがあります。

Nicon's Small World Photomicrography Competition

ここのギャラリーにはこのコンテストの入賞作品が公開されています。

息を飲む程美しいものから、ちょっとギョッとするものまで色々あり、とても面白いです。

私も撮ろうと思えば、似たような写真は撮れるかもしれませんが、とても難しいです。

どうやったらこんなに綺麗に撮れるんだろう?

いくつか気になった写真を紹介してみたいと思います。

これは2005年度の14thの作品です。

Xenopus(アフリカツメガエル)の細胞です。細胞分裂中期くらいの時期で、真ん中に染色体が見えます。それを引っ張る紡錘体の微小管が鮮やかな紫色に染まっていてとても綺麗です。

教科書に似たようなイラストが書いてありますけど、こっちの方がずっとカッコいいです。

2004年度の3rdの作品です。分化段階にある神経細胞で、黄色い部分がDNA染色なので核です。細胞質内にアクチンフィラメントやmicrotubuleの構造が見えます。

こんなのが頭の中にあるんですよ。

2004年度の佳作の作品です。

10週齡のマウスの脳の断面です。見慣れた図なのでついつい選んでしまいました。上の方にある赤色や青色や緑色で構成された、一番目立つ部分は海馬です。ここで「記憶」がなされています。下の方の黄色が沢山染まっている部分は視床下部の後ろの方です。特に弓状核や視床下部腹内側核、視床下部背内側核の辺りだと思います。食欲や体温等の中枢です。

こんな綺麗な写真は撮ったことありません(撮ろうと思ったことありません)

2003年度に1stに輝いた作品です。

マウス線維芽細胞を染色したものです。上記のものと同じく核やアクチンフィラメント、microtubule等が染められています。

流石に1st prizeを獲得した写真だけあり、圧倒的に綺麗です。

一回こんなに綺麗な写真を撮ってみたいです。

ものすごーく手間がかかってそうな写真ばっかりでしたけど…。

興味のある人は上記のリンク先にまだまだ沢山写真が公開されているので、是非見てみて下さい。

とても面白いですよ。